青志社

一坂太郎/著
『わが夫 坂本龍馬』

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わが夫 坂本龍馬
一坂太郎/著
『わが夫 坂本龍馬』おりょう聞書き
英雄や偉人とは違う等身大の龍馬とおりょうがここにいる。

発行日: 2019年4月19日発売
定価: 本体1100円+税
サイズ: 新書判
ページ数: 224ページ
ISBN: 978-4-86590-081-1

【目次】

はじめに
おりょうの回顧録について
第一章 龍馬のおもかげ
第二章 龍馬との出会い
第三章 寺田屋の思い出
第四章 伏見遭難
第五章 さつま旅行
第六章 海援隊
第七章 周囲の人びと
第八章 龍馬暗殺
第九章 流転の日々
第十章 おりょうの生い立ち

特別収録一 時代の中のおりょう像
特別収録二 おりょうあて龍馬書簡

おわりに
新装版のためのあとがき
坂本龍馬略年譜


【内容紹介】

新装版
龍馬はそれはそれは妙な男でして…

二人は危険で魅力的な不良カップル!
はみ出し者夫婦の熱い日々――

龍馬の実像に迫った妻の熱き口伝!
英雄や偉人とは違う等身大の龍馬とおりょうがここにいる。

 強烈な個性を放ちながら、坂本龍馬は幕末という動乱の時代を疾走した。
 龍馬の名は後年、多くの関係者の回顧録の中に登場する。天衣無縫、新し物好き、あるいは恐ろしげな雰囲気だったとか、その印象は人さまざまだが、とにかく忘れ難い男だったことは確かのようだ。
 なかでも妻おりょう(お龍)が回顧する龍馬は、最も等身大に近いように私には思える。大体、幕末の「志士」と称する若者たちは、自分の政治運動の中に妻や恋人を連れ込もうとはしなかった。ところが龍馬は、そのへんの節操がなかったのか、おりょうの談話の中には西郷隆盛や中岡慎太郎といった同志の名が頻出する。
 もっともおりょうは、その政治的意義をどれほど理解していたかは別としても「男」の場所に出ることを厭わない女性だった。また、龍馬もそうした女性が好みだったようだ。龍馬は故郷土佐の姉お乙女(とめ)にあてた手紙の中でおりょうを「まことにおもしろき女」とし、紹介する。しかし、龍馬の同志の中には反感を抱く者もいた。土佐藩士佐々木高行などはおりょうの印象を日記に「有名なる美人の事なれども、賢夫人や否かは知らず」と記す。
 私がおりょうの回顧談に出会ったのは四半世紀前のこと。龍馬生誕百五十年記念の雑誌『別冊歴史読本』に再録された、安岡重雄(秀峰)が聴取した「反魂香(はんごんこう)」を読んだのが最初だ。その後、川田瑞穂(みずほ)(雪原)が聴取した「千里駒後日譚(せんりのこまごじつのはなし)」が『坂本龍馬全集』に収められているのを知り、こちらも読んだ。  いずれも最愛の妻の回顧談なのだから、面白くないはずがないのだが、龍馬の知名度に比べて広く読まれているとは言い難い。それは、現代人からすると決して読みやすい史料ではないというのも一因だろう。語られている出来事の順序はバラバラだし、ある程度背景を理解していないと、唐突すぎる話題も少なくない。原則として改行も無いから、どうも読み難くて仕方ない。
 そこで、安岡・川田がおりょうから聴取した回顧談を一度解体し、解説や注を加えながら、出来るだけ読みやすくしようと考え整理し直してみた。それが本書である。手を加えたのは主に以下の点だ。本書により、日本近代化の発火点を精一杯生きた、有名無名の人々の思いが少しでも伝われば幸いである。
――はじめにより


【著者紹介】

一坂太郎 いちさか・たろう


 昭和41年(1966)兵庫県芦屋市に生まれる。 大正大学文学部史学科卒業。現在、萩博物館特別学芸員・防府天満宮歴史館顧問などを務める。 最近の主な著書に『久坂玄瑞』(ミネルヴァ書房)、『語り継がれた西郷どん』(朝日新書)、『フカサクを観よ』『吉田松陰190歳』(青志社)、『明治維新とは何だったのか』(創元社)、『昭和史跡散歩 東京篇』(イースト新書)、『吉田松陰とその家族』『幕末維新の城』(中公新書)、『司馬遼太郎が描かなかった幕末』(集英社新書)などがある。 また『高杉晋作史料』『吉田年麻呂史料』『久坂玄瑞史料』『久保松太郎日記』(いずれもマツノ書店)などの史料集を編纂。 『英雄たちの選択』などテレビ出演、講演も多い。



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